はじめての日本神話 ヤマトタケル

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ヤマトタケルってどんな人?

日本神話でアマテラスやオオクニヌシと
並ぶほどの有名人がヤマトタケルです!
何をした人か、ずばり、
大和と敵対する勢力を倒し、大和の勢力を拡大した人です!
しかも、負けたことがないという無敵っぷり!
見た目は女装できるほどの美形。
気性は荒々しく、けっこう容赦はしないタイプ。
ただ、親し気な人には弱音を言うという、
なんともマンガの主人公みたいな人です。
図①

そんな彼が敵対勢力を倒すことになったのはなぜかというと、
気性が荒々しいことから、お父さんである時の天皇に危険視されていたからです。

ヤマトタケル神話

ヤマトタケルが出て来る神話について簡単にまとめると、、、


ヤマトタケルの気性の荒さに悩んでいた時の天皇。
その頃には、敵対勢力が日本列島のあちこちに。
時の天皇、ヤマトタケルに敵対勢力を成敗するよう命令。
ヤマトタケルはお父さんの期待に答えようと頑張る。
ある時は女装して相手が油断した隙に剣で差し〇し、
またある時は、木刀で勝負と言いながら、
自分だけ本物の剣を使って相手を倒していきました。
そんなヤマトタケル、ある日気づきました。
●ヤマトタケル
「こんなに敵を倒しに行かせるって、父さん、俺を心配してないん?」
この悲しみを、叔母(時の天皇の妹)に相談する。
叔母さん、かわいい甥に対して、
なんと神器である剣をヤマトタケルに貸すことに。
その剣を持って行った先で、ヤマトタケルは最大のピンチに!
敵対勢力が野原に火を放ち、ヤマトタケルは火に囲まれる。
●ヤマトタケル
「どうしよう!このままやったら燃えてまう!」
「せや!もらった剣で周辺の草をなぎ払って、こっちからも火を付ければいいんや!」
「そうすれば俺には火が来ないし、火と火がぶつかり合って俺は助かるぞ!」
図②
本当に助かったヤマトタケル。
神器のおかげ?で危険をきりぬける。
その後も成敗の旅は続くことに。
そんな中、滋賀にある伊吹山の神を成敗することに。
何を思ったのかヤマトタケルは剣ではなく素手で倒そうとして、
神器の剣を置いていくことに。
そして伊吹山の神であるイノシシに対面するも、
スライムみたいなザコと勘違いして、イノシシ神ぶち切れ。
イノシシ神が大量の雹(ひょう)を降らせて、ヤマトタケルは衰弱。
その後も回復せず、
大和に帰ることなくヤマトタケルは亡くなってしまいます。
お付きの人や彼と結婚していた姫はものすごく悲しみ、
彼の亡骸を丁重に埋葬したところ、
ヤマトタケルは白鳥に姿を変えて飛び立っていったとか。
飛んで行ったのは、大和の方向でした。


、、、といった具合です。
ちなみに、お父さんである天皇は彼の死を悲しみ、
彼が平定した場所を後に巡っているそうです。
ただいずれにしても、生きている間は
お父さんからは認められなかった悲劇の英雄ですよね。
本当にマンガの主人公みたい。

まとめ

「てか、イノシシ神って、急な「もののけ姫」みたいな感じは何?」
そう思われた方も多いでしょう。
ただ、討伐しに行った理由は謎なんです。
でもどうやら、この時には剣のご加護がなくなっていたことを
この一連の話で暗示しているのだそう。
強かったけれども戦を重ねて疲れ切っていた。
でも、神器の剣を持っていたから
何とか生き長らえていた、
という訳です。
本当に悲しい英雄ですよね~。

彼の死後、神器の剣は彼が置いていった場所で祀られることになります。
その場所が、名古屋市にある熱田神宮です。
熱田神宮
そして、ヤマトタケルが草をなぎ払って難を逃れたことから、
神器の剣は草薙剣(くさなぎのつるぎ)と呼ばれるようになりました。

どんなに頑張っても父親からは認められなかったヤマトタケルですが、
彼がお付きの人たちや結婚相手にかなり慕われていました。
自分の努力を見ているのは遠くにいる人ではなく身近な人という訳ですね。
そう、自分の頑張っている姿は必ず誰かに見てくれている。
そんなことをヤマトタケルは私たちに伝えてくれているのかも。

ヤマトタケルのおかげで、ヤマトの国は大きく勢力を拡大することになります。
そして、拡大した国をより豊かにしていったのが、名前だけ有名な「仁徳天皇」です!

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