はじめての日本神話 ヤタガラス

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ヤタガラスって?

ヤタガラス(八咫烏)は日本神話に関係なく、
日常生活でも見かけたり聞いたことがあるかもしれませんね。
例えば、皆さんの近所にある熊野神社のシンボルだったり、
日本サッカー協会のエンブレムやマスコットキャラクターだったり、
日本神話に関する存在で、最も身近な存在かもしれません。

そんなヤタガラスは日本神話ではどんな存在かというと、
初代天皇である神武天皇が
熊野(和歌山県南部)から奈良に向かう際に
先頭を飛んで道案内してあげた、
日本の神話上でもかなり重要なキャラなんです。
ヤタガラスがいたから神武天皇は迷子になることなく
無事に奈良に着くことが出来たんです!
図①
(神武天皇については神武天皇(気になる方はクリック)をどうぞ)

ちなみにヤタガラスのヤタ(八咫)ってどういう意味かというと、
「大きい」です!
実は日本神話ではそれ以上の情報がないんです!
今だと3本足のカラスというイメージが一般的ですが、
それは中国の伝説と混ざっていったからみたいです。

ヤタガラスはカラス?トンビ?人間?

実はヤタガラスは3本足と限らないだけではなく、
カラスではないかもしれないんです。

『古事記』ではヤタガラスが登場しますが、
『日本書紀』では金色のトンビ(金鵄(きんし))が登場します。
しかも、神武天皇の弓に金色のトンビがとまり、
その光で敵対勢力が戦意を失い降伏することになったらしく、
なんかカラスよりもハイスペックなんです。
この金鵄についても中国の影響が大きいみたいですね。
図②

そしてこれに留まらず、ヤタガラスは人間かもしれないんです。
ヤタガラスには立派な別名があるんです。
名前は「建角身命(たけつぬみのみこと)」です。
その名前の神様を祀っているのが、
京都の世界遺産・下鴨神社です!
下鴨神社
この神社によると、その神様の子孫が京都の礎を築く一族・賀茂氏なのだとか。
「え?カラスの子孫が人間なの?」
そんな天然な考えでも楽しいですが、
普通に考えると、建角身命、人間じゃね?

そうなると、ヤタガラスはカラスなのか、トンビなのか、人間なのか、、。

まとめ

「思ってるよりもヤタガラス、ブレブレやがな!」
って、これに関しては是非ともツッコみましょう!

それにしても、なぜこんなにもブレブレなのか。
それについて今回は掘り下げませんが、
ある人は何かを隠すためだとか、
ある人はこれは何かの暗号だとか言ってるんです。
こんな感じで、無限に考察が広がっていくのが、
古代史の面白いところです!
だって誰もこれらの意見を否定できないのだから。

さて、ここまで神話に出て来る生物を紹介してきましたが、
その正体は自然であったり人であったりと、
意外と現実的なものでしたよね~。
でも、そんなことが神社の伝承や神話を読み込んでいけば
わかること自体がスゴイことですよね~。
そう、日本の古代史に関する情報はそこら中に溢れているんです!
私たちはそんな古代ロマンが溢れる国で生きているんです!

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