はじめての日本神話 因幡の白兎

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因幡の白兎神話

オオクニヌシを語るうえで欠かせない動物、
それが因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)です。
オオクニヌシについてはオオクニヌシ(気になる方はクリック)をどうぞ。
さて、そんな因幡の白兎神話について簡単にまとめると、、、


因幡の国(今の鳥取県東部)に美しい姫がいるので、
オオクニヌシの兄たちは姫に求婚しようと因幡へ。
そして兄たちは弟のオオクニヌシに荷物を持たせていた。
列の最後尾を遅れて歩くオオクニヌシ。
すると砂浜に、体の毛がなく、
泣きじゃくっているウサギがいた。
優しいオオクニヌシはウサギに話しかける。
●オオクニヌシ
「あー、えっと、何があったんだい?」
●ウサギ
「ひっく、、、え、あ、はい、、」
「私は海の向こうに見える島に住んでいるんです」
「こっちに来ようとしても私は泳げないんです」
「だから、海のサメをだましたんです」

~ウサギの回想~
ウサギ
「サメさんサメさん、
 私とあなたでどっちの仲間が多いか勝負しません?」
●サメ
「いいですよ」
数分後
●サメ
「見て見て~こんなに集まったよ~」
●ウサギ
「じゃあ数えるから向こう岸の方向に一列になって下さーい」
●サメ
「いいですよ~」
●ウサギ
「じゃあいきまーす!
 いーち、にー、さーん、(以下略)」
向こう岸に着いたウサギ
●ウサギ
「バーカバーカ!だまされてやんの!
 私はこっちに来たかっただけだよ~!」
●サメ
「あ゙あ!?何やて!?お前!
 許さへん!!毛を抜いてやる!」
●ウサギ
「へ?ぎゃああああああ!」
図①
~ウサギの回想・完~

●ウサギ
「そんな訳でサメに全身の毛を抜かれてしまったんです」
●オオクニヌシ
「ああ、、、」
●ウサギ
「しかもそれだけじゃないんです」
「さっきここを通った人たちに、
 海水に浸かれば治ると言われたので
 その通りにしたら余計に痛くなってしまって、、、」
●オオクニヌシ
「あ、それ僕の兄さん達だ、、、」
「そりゃあ、海水は良くないよ。
 まずは真水で体を洗って、蒲(がま)の花でモフモフすると治るよ」
優しいオオクニヌシはウサギの回復を手伝う
ウサギ、完治!
●ウサギ
「ありがとうございます!」
「あなたは本当に優しいですね」
「今のアナタはお兄さん達に下に見られていますが、
 因幡の姫はアナタを選ぶでしょう」
しばらくして、オオクニヌシが兄たちに追いつく。
するとウサギの言っていた通りに、
オオクニヌシは因幡の姫と結ばれることになりました。
めでたしめでたし。


、、、といった具合です。

まあこの後、
オオクニヌシは因幡の姫と結婚したことで兄たちに激しく嫉妬されて
2度〇されるので
めでたくはないのですが、、。

因幡の白兎は姫の使い?

因幡の白兎、かなりウザいキャラですよね~。
でも、優しいオオクニヌシに対しては、
姫と結ばれることを予言していたり、
なにか小物らしからぬことをしています。
そして不思議なことに、
先に到着した兄たちは美しい因幡の姫に求婚しますが、

●姫
「私はあなた方と結婚するつもりはありません」
「私はオオクニヌシの妻になるつもりです」

そう言って兄たちを断っています。
まだオオクニヌシに会ってもいないのに。

そう、つまりウサギは姫に結婚相手を見極めるために、
彼らの通り道である砂浜に派遣されたのかもしれないんです!
たくさんの兄たち + オオクニヌシなので
ある程度は候補を絞っておきたいと思うのは普通ですよね~。
なので、一見「お前が悪いやんけ」って思わせて、
ウサギはそれでも助ける優しい心の持ち主を探そうとしたのかも。
図②
その優しい心の持ち主・オオクニヌシを見つけたウサギは
オオクニヌシと別れた後に、姫に砂浜での出来事を報告していたとしたら、
姫の断り方にも納得がいきますよね~。

まとめ

因幡の白兎が姫の使いだとすると、
「体張りすぎやろ!」
とは思いますが、ひとまずそこは置いておきましょう。
そもそも島から来たのが本当かどうかも怪しいですし。

ちなみに神話の舞台となったのは「白兎海岸」という名前の砂浜で、
鳥取市に位置しています。
すぐ近くには因幡の白兎を祀る白兎神社もあります。
白兎神社
何の神様かというと、オオクニヌシと姫を結婚させたから、
こちらも縁結びの神様なんです!

人への優しさって、現代社会でも気付かれなかったり、
こんなことを自分だけがしても意味あるの?
って思ってしまいますよね。
でも、常に人に優しくしていたら
必ず誰かは見てくれていて、
いつか自分の運命を大きく変えることになる、
ってことを因幡の白兎は教えてくれているのかも。

さて、白兎を助けたオオクニヌシが国造りをした後、
アマテラスに国譲りを行い、
アマテラスの子孫である神武天皇が日本建国へと向かうとき、
彼を導いたのが「ヤタガラス」です。

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