『古事記』と『日本書紀』 オオクニヌシの国造り

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オオクニヌシの妻たち

出雲の王となったオオクニヌシですが、 大きな悩みとなったのが、正妻となったスセリ姫が嫉妬深かったことです。 そのせいで、先に結婚していたヤガミ姫は因幡に帰ってしまいます。 いったいスセリ姫は何をしたんでしょう、、。 ただ、オオクニヌシとしても一族の繁栄が重要ですから、 多くの姫と恋をして、結婚することになります。 高志(北陸)の沼河姫ぬなかわひめや、 九州・胸形(宗像)の多紀理姫たきりひめなど、合わせて10人ほどの女性と結婚しました。 正妻であるスセリ姫の嫉妬はスゴイのですが、ここまでくると寂しさが勝っていたようです。 それを見かねたオオクニヌシは、大和に出陣する直前にスセリ姫に歌を送ります。 あなたを大事にしているという内容の歌を送られたスセリ姫は、 オオクニヌシに対して、あなたを愛しているという内容の歌を返します。 その歌を見たオオクニヌシは大和への出陣を中止します。 こうしてオオクニヌシとスセリ姫は、夫婦の愛を再確認出来たのでした。

国造り、再開

多くの子どもにも恵まれて、出雲の国の領土は順調に拡大していました。 そんなある日、オオクニヌシが海沿いを歩いていると、小さな神様が海の向こうからやってきました。 名前を尋ねても答えないので、物知りの案山子かかしに聞くと、 高天原の高皇産霊神タカミムスビノカミの御子、少名毘古那神スクナビコナノカミだと答えました。 タカミムスビは天上で3番目に誕生した、アマテラスよりも古い神様です。 また、オオクニヌシの母親が我が子を生き返らせてほしいと相談した相手でもあります。 さっそくオオクニヌシはタカミムスビに会いに行きます。 高天原でタカミムスビに尋ねると、 確かに自分の子ども・スクナビコナだと答えます。 どうも、小さすぎるから指の隙間から落としてしまったとのこと。 ただ、この出会いも何かの縁として、 タカミムスビはスクナビコナに対して、オオクニヌシと協力して国造りを行いように言います。 こうしてオオクニヌシはパートナーとなったスクナビコナと共に、 イザナミが亡くなって以降は中断されていた国造りを再開することになりました。 国造りは順調でしたが、スクナヒコナはある日突然、旅立ってしまいます。 途方にくれるオオクニヌシの下に、別の神様が海の向こうからやってきます。 大物主神オオモノヌシノカミです。 オオモノ●●ヌシは、「大和の三輪みわ山に自分を祀れば、国造りを手伝う」と言います。 オオクニヌシは言われた通りに、三輪に神社を建立し、新たなパートナーを確保しました。 そしてオオクニヌシは苦労の末にとうとう国造りを終わらせ、 地上世界である葦原中国あしはらのなかつくには大いに栄えることになりました。

~神話紀行~

淡島あわしま神社

和歌山市の加太にある、スクナビコナを祀る神社です。 人形供養で全国的に知られている神社でもあります。 淡島神社のホームページは こちら からどうぞ!

大神おおみわ神社

奈良県桜井市にある、オオモノヌシを祀るために大国主が建てた神社です。 『古事記』と『日本書紀』で書かれている神社創建の逸話で最初の記述なので、 日本最古の神社とされています。 大神神社のホームページは こちら からどうぞ!

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