『古事記』と『日本書紀』 国譲り

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3人目の使者

高天原はこれまでの失敗から、3人目の使者は忠誠心のある武神にすることにしました。 そうして、出雲の稲佐の浜に降り立ったのは、雷神・建御雷之男神タケミカヅチノオカミです。 タケミカヅチは剣を海に立てて、剣先にあぐらをかいてオオクニヌシに問います。 「地上はアマテラス様とタカミムスビ様の命で、高天原におられる御子が治めることになった。 オオクニヌシ、お前の考えを聞こう」 オオクニヌシは子どもである事代主神コトシロヌシノカミを呼び出して意見を聞くと、 コトシロヌシは承諾して、そのまま姿を消してしまいます。 次にオオクニヌシはもう一人意見を言う子どもがいるので、彼にも聞いてほしいとタケミカヅチに願います。 その会話の最中、大岩を片手で持ち上げながら、意見を言うもう1柱の子どもである風神・建御名方神タケミナカタノカミがやってきます。 よそ者がコソコソと話しているとは何事かと怒り、力勝負を持ちかけます。 しかし、武神であるタケミカヅチの前では、自慢の怪力も役に立たず、タケミナカタは逃げ出します。 タケミナカタは必死で逃げますが、タケミカヅチも追いかけてきます。 諏訪まで逃げてきたところで、もう限界だと思った タケミナカタは「もうこの地から出ないので私を殺さないで下さい。この国を高天原の御子にお譲りします」 とタケミカヅチに言いました。

国譲り

出雲に戻ったタケミカヅチは、「息子達は高天原に従うと答えた。アナタはどうするのですか」とオオクニヌシに尋ねます。 オオクニヌシは「息子達の考えのとおり、私も高天原に背くつもりはありません。この国をお譲りします。 ただ、大空にそびえる立派な神殿を建ててほしいのです。それがかなえられれば幽界に退き、静かに暮らします」と答えました。 こうして、空高くそびえる出雲大社が建てられました。平安時代には48mもの高さがあったことが記録されていますが、 その昔は100mはあったとも記録されています。そしてここに、オオクニヌシからアマテラスへの国譲りが行われました。

~神話紀行~

稲佐いなさの浜

出雲市にある、国譲りの交渉が行われた場所です。夕日の名所としても知られています。 稲佐の浜に関するページは こちら からどうぞ!

美保みほ神社

島根県松江市にある、オオクニヌシの息子、コトシロヌシを祀る神社です。 美保神社のホームページは こちら からどうぞ!

諏訪すわ大社

長野県諏訪市にある、オオクニヌシの息子、タケミナカタを祀る神社です。 冬になると諏訪湖では御神渡りが発生しますが、その時に湖を渡る神様が、タケミナカタです。 諏訪大社のホームページは こちら からどうぞ!

鹿島かしま神宮

茨城県鹿嶋市にある、高天原から派遣された武神・タケミカヅチを祀る神社です。 周辺には、タケミカヅチに付き従った神様を祀る香取神宮と息栖神社の3つを合わせて東国3社と呼ばれています。 鹿島神宮のホームページは こちら からどうぞ!

出雲いづも大社おおやしろ

出雲市にある、言わずと知れたオオクニヌシを祀る日本を代表する神社です。 発掘調査から、地上48mにもなる空中神殿が建っていたことが判明しています。 現在はその半分ほどの大きさになっていますが、それでも日本の神社では現在でも最大の大きさです。 出雲大社のホームページは こちら からどうぞ!

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